私が世界のハゲを救う

人は何故ハゲるのか、ハゲは何故治らないとされているのか、真剣に考察して独自のハゲ理論を展開し、世界のハゲ達を救うブログ。

ストレス低減のために「瞑想」が効く脳科学的理由

ストレスは脳疲労によるもの

現代はストレス要因が溢れる社会になっている。人間関係、仕事の状況、家庭の事情、健康問題、多くの要因があり、人によって異なる状況を持っており、人によって感じ方も違う、非常に対策の立てづらい問題である。ストレス要因を根本から全てを解決するのは、不可能と言っても良いほどに複雑な社会となっている。

 

そんなストレス要因の多い現代社会であるが、ストレスを引き起こしている直接の原因は、「脳疲労」である。人間関係に問題があり、思い悩む。仕事の状況が芳しくなく、思い悩む。家庭の事情が良好でなく、思い悩む。不健康で、思い悩む。このように思い悩むことで、脳はあーでもないこーでもないと思考をフル回転し、疲労する。過去の嫌な記憶を思い出しては後悔し、未来の発生するかも分からないネガティブな問題に対して心配し、疲労する。

 

脳はそんな疲労を繰り返し、24時間365日、絶え間なく疲労を蓄積し続けている。そりゃ疲れるよね、って話。でも現代ではこれがスタンダードという、えげつねェ社会なのである。

 

 

脳疲労は「デフォルトモード・ネットワーク」により顕著に引き起こされる

では、何故こんなに思い悩むのか、思い悩むことを人は繰り返して止まないのか、という点について考えたい。
脳には大きく2つのモードがある。1つ目は「ワーキングメモリ・ネットワーク」の活動が高まったとき、2つ目は「デフォルトモード・ネットワーク」の活動が高まったとき、である。他にもモードはあるが、ここではこの2点について取り扱う。以下に詳細を説明する。

 

  1. ワーキングメモリ・ネットワーク(以下、WMN)
    何か与えられた課題を解くとき、集中している状態で活動が高まる脳領域。認知脳とも言う。

  2. デフォルトモード・ネットワーク(以下、DMN)
    安静にしているとき、ボーっとしているときに活動が高まる脳領域。社会脳とも言う。DMNが優位になると、過去の嫌な記憶が思い起こされたり、未来の不安に苛まれる。

 

これら2つのモードは競合するため、WMNの活動が高まっているときはDMNの活動が低下する。逆もまた真なりだ。

 

どちらのモードのときに大きく脳を疲労させるかと言うと、なんとDMNだ。しかも、圧倒的にDMNの方がエネルギー消費が激しい。WMNに比べて、DMNの方が数倍も脳を使うのだ。これは意外に思う人は多いかと思う。普通、安静時やボーっとしているときは、脳は休んでいるものと思っているだろうが、実際は逆で、集中してWMNの活動が高まっているときの方が、脳疲労は小さいものとなる。

 

こんな経験はないだろうか?
仕事やスポーツに深く集中できた時、いわゆる「ゾーン」という状態に入る。ゾーンに入っている間は、感覚が研ぎ澄まされ、深い集中の中に居る。このような状態では、意外と疲れにくく、快感すら覚える。
この時はWMNの活動が圧倒的に優位となっており、脳疲労は小さい。非常に生産性の高い時間を過ごすことができるうえに、脳疲労が小さいので、再度集中することが比較的容易になり、更に生産的活動を行うことができる。集中できる人は非常に好循環となるのだ。

 

一方で、現代人の多くが忙しい生活を送っているが、DMNが主体となっていると思われる。真に集中しているとき以外、つまり適度に仕事を流しているようなとき、自宅で食事しているとき、風呂に入っているとき、寝る前にベッドでゴロゴロしているとき、思い返してみると真に集中している時間は、意外と少ないことに気付くと思う。
従って、1日を通してDMNが主体であり、何事もない生活を送っていても、どんどん脳は疲労していくのである。 

 

私もかつては、このようにDMN主体となっていたために、勝手に思考が巡り、あれやこれや悩んではストレスを感じていた。些細な失敗を思い出しては「何故あのとき、こうしておかなかったんだ!」と自分の行動を後悔したり、未来の出来事を予想しては「顧客を怒らせたらどうしよう」とネガティブな想像でため息をついたり。過去や未来に振り回されては、意味のない疲労を溜め込んでいた。

 

 

瞑想により脳疲労を低減することができる

ここまでを理解すると、DMN主体をやめて、WMN主体に切り替えたいところである。その方が圧倒的に脳のエネルギー消費が小さく、脳疲労を回避することができるからだ。

 

そこで日々の生活に取り入れたいのは、「瞑想」である。
誰もが「瞑想」を聞いたことはあるだろう。ちょっと胡散臭いイメージを持っている人も少なくないと思うが、瞑想している間はDMNからWMNに切り替えることができる、脳科学的に確認された手法なのだ。瞑想を行うことで、脳疲労を抑えることができ、集中力の向上やストレス低減、疲労感の低減を実現することができる。

 

 

効果的な瞑想の方法

静かで落ち着ける空間に身を置く。無理のない姿勢で椅子に座る。胡坐や結跏趺坐で座るのが苦も無くできる人はそれでも良い。とにかく集中しやすい環境を作ってほしい。

 

呼吸はゆったり自然に行い、自分の呼吸に意識を向ける。吸う冷たい空気が鼻の中を通って身体の中に入っていく感覚、吐く温かい空気が鼻の中を通って身体の外に出ていく感覚。そういった感覚に集中する。瞑想では、過去でも未来でもなく、「今この瞬間」に集中することがポイントとなる。

 

瞑想中、必ず雑念が入り、集中が切れる。「ごはん何にしようかな」「明日の出張の準備しなければ」「背中が痒い」など、様々な雑念が勝手に浮かんでくる。だがこれは仕方がないことであり、問題ではない。そこは割り切って「なるほど。私は今こんなことを考えたんだな」と頭の中で呟き、再び自分の呼吸に意識を向ける。これをひたすら繰り返す。

 

ひとつ注意点。瞑想は呼吸法とは違う。巷では4秒で吸って8秒で吐くとか、腹式呼吸が良いといった呼吸法が多く存在するが、瞑想はそれが目的ではない。自分の呼吸に意識を向けることが重要なのであって、呼吸の仕方を変えることはまた別の話だ。
とは言え、私は呼吸法を否定しているのではない。呼吸法には、身体を緩めたり血流を良くしたり、様々な効果があるとは想像する。瞑想とは別に取り組んでみるのも良いと思っている。

 

 

まずはやってみる

瞑想はやってみると意外と長く続かない。色んな雑念によりじっとしていられなくなったり、眠くなったり、同じ姿勢でいることで身体が痛くなったりして、嫌になってしまうかもしれない。また、すぐ効果を感じ取れるものではないので、挫折しやすい。

 

だが、まずは寝る前の3分だけでもよいので瞑想をやってみてほしい。毎日行い、慣れてきたら時間を長くしたり、1日に2度行うなど、時間を増やしていけると理想的だ。次第に、集中しやすくなったとか、過去や未来についての意味のない悩みが少なくなった等の効果を感じることができるようになる。

 

このように瞑想を通じて脳疲労を減らし、好循環を生み出すことの一助になればと思う。